向暑の候、皆様にはご清祥のことと存じ上げます。

　さて、いわゆる運送の「2024年問題」とともに物価高・円安等の影響も受けて、企業の皆様におかれましても、改めて貿易・物流を事業活動の重要な一要素と再定義し、その見直しを検討されている方も多くいらっしゃるのではないかと思います。また、グローバルで多岐にわたる事業展開においては、単なる二国間の輸出入から、三国間貿易、あるいは多国間取引も増大しているものと思います。
　このような中、船荷証券（Bill of Lading; B/L）は、国際貿易の基本書類のひとつとして、過去の歴史や実務上の重要性を踏まえて制度が整備されてきたものであり、今もなお活発な貿易取引に際して多く利用されております。また、船荷証券に関する知識は、国際海上物品運送や国際動産売買の分野では特に大切であり、更に、2018年には我が国の商法及び国際海上物品運送法が改正されました。このような船荷証券に関する基礎的な知識は、リーガルリスクマネジメントの観点でも、法務パーソンが知るべき内容と考えます。
　今回の月例会は、国際貿易を支える重要な書類の一つである「船荷証券」に焦点を当て、その背後にある国際条約や法に触れながら、基礎的かつアップデートされた知識の確認をするものとしました。国際法務パーソンは、海上貨物に関する事故発生＝海上保険という発想になるかもしれませんが、まずは輸送に関する国際条約や法と船荷証券の基礎的な理解をした上で海上保険を理解しないと、真にリスクマネジメントができているとはいえませんし、保険を上手に使う（事故損害をミニマムに抑える）こともできないと思われます。この機会に、ぜひご参加いただきますようお願い申し上げます。

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